メンタルヘルス コラム

2018年08月17日

〈富山大学双六夏山診療所へ行ってきました〉 増山 喜一医師

富山大学双六夏山診療所へ行ってきました

 昨年に引き続き当協会のCSRの一環として8月6日から10日の5日間、協会のスタッフとともに参加してきました。双六診療所は岐阜県の新穂高温泉バスターミナルよりわさび平小屋、鏡平山荘を経て約7〜8時間かけて登ったところにあります。ここでの実際の活動は、富山大学双六診療所ホームページによりますと「ボランティアの医師と看護師、富山大学杉谷キャンパス山岳部の学生で構成される医療スタッフが、ボランティア診療班を編成し、夏期のピーク期間中に常駐し登山者の病気・ケガなどの治療に当たっています。」とされています。実際、今回の滞在中はかなり暑かったため熱中症や軽度の高山病、捻挫、靴擦れなどの患者さんがまずまず来られました。幸いヘリコプター搬送を必要とするような重症例はありませんでした。

 診療所に閉じこもってばかりでは折角山に来たのに寂しいので、交替で登山にもでかけました。私が最初にこの診療所に来たのは大学院在籍中の昭和の時代でした。その後、今回で5回目の診療所となりましたが、槍ヶ岳に登頂したのは初回のみで、平成25年にも槍ヶ岳登頂を試みましたが槍の肩に到着した頃には天候が悪化し雨、風が強く登頂を断念し、東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所を訪問し情報交換、休憩をして双六へ帰ってきました。

 そこで今回、槍ヶ岳へ登ることとしました。双六小屋のスタッフの皆さんに快適に槍へ登れる日を検討してもらい、そのアドバイスに従い早朝5時に診療所を出発しました。双六小屋から槍ヶ岳へのルートは西鎌尾根ルートであり、好天であれば槍、穂高連峰を望みつつ楽しく歩けるルートであるのですが、あいにく当日早朝は風と靄がありほとんど景色を観賞できるものではありませんでした。

 それでも、双六小屋のスタッフの「今日はいいですよ。」の言葉を信じひたすら歩み続けました。千丈沢乗越に到着した頃には素晴らしい晴天となり、槍、小槍が間近に見えテンションは、益々あがりました。あっという間に槍の肩に到着し写真撮影の後、(診療所のスタッフが怪我をしては恥ずかしいので)槍ヶ岳山荘でヘルメットをレンタルし、槍ヶ岳登頂となりました。今回の登頂では2002年に新設された山頂直下の2段ハシゴのおかげで渋滞が回避されスムーズな往復ができました。平成最後の夏に槍ヶ岳登頂ができ感慨もひとしおでした。

 双六小屋は非常に良い所に位置し、富山県側へ行けば北アルプスの最奥部の三俣山荘、三俣診療所(岡山大学医学部・香川大学医学部)があり、長野側へ行けば槍ヶ岳山荘、東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所があります。もう少しあしをのばせば雲ノ平や笠ヶ岳へも行けます。皆さんも楽しい夏山にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 当協会のホームページから広報誌ヘルスビュー2017年10月号(No88)を見ていただくと昨年の診療所の記事が載っています。今年度の記事は2018年11月号(No92)に掲載予定となっています。お楽しみに。

【画像】

【画像】

ページトップ